EUワークショップ 2020年12月2日 コメンテーターのコメント
2020年12月2日中西優美子(Yumiko NAKANISHI)
EUワークショップ2020年12月2日
報告者:張睿さん
「NPT の不平等に関する再考―ナミビアのウラン問題を事例にー」
コメンテーター:法学研究科修士課程1年 二見 華
本日は発表者である張さんの修士論文中間報告においてEUと関りのある部分が紹介されました。アフリカのウラン市場に関する先行研究が挙げられ、第一次、第二次ブームにおけるアメリカ、イギリス、フランスの核戦略との関係が述べられ、加えてナミビアにおけるウラン開発に関する利用状況や背景について、関連する先行研究も紹介されました。
当時のアメリカ、イギリス、フランスの核戦略について、アメリカが20年ほどコンゴ産のウランを独占しており、これをソ連が打破する動きがあったことについて説明され、英仏の違いとしては、イギリスは、アメリカとの同盟関係の中で自国の自主性持つことを目指し、フランスは自主性の確保だけでなく、自国の電力発電のための確保を目指した点があることが説明されました。
後半では、検証方法と仮説、現段階での結論までの構想が発表され、仮説では国際制度的要因、地域的要因、国内的要因の3部に分けて検証されていました。修士論文の第2章第1節の紹介では、ナミビアのアパルトヘイトの歴史的背景とナミビア産ウランの関係性について触れられました。
質疑応答では、松村さんからNPTへの加入理由とニジェールの論文内での取り扱いについて質問がなされました。熊本先生からは、リサーチクエスチョンの内容確認とそれに対応する検証の論理性と、プロスペクト理論の利用方法に関する質問がなされました。竹村先生からは、ナミビアがNPTに加入した理由と留まっている理由についての指摘がなされ、加入時点は現在の独立したナミビアではないことから歴史的背景の要因の存在についての質問がなされました。
本日の講義をもって2020年秋冬学期のEUワークショップが終了いたしました。今年はコロナの影響により、4学期すべてにおいてオンライン授業の措置が採用されましたが、受講者、指導教授の方々と安全に対面でお会いできる日が来るよう、感染状況が落ち着くことを願うばかりです。