一橋大学

EUワークショップ 2020年11月18日 報告者コメント

2020年11月18日中西優美子(Yumiko NAKANISHI)

EU ワークショップ 2020 年 11 ⽉ 18 ⽇ 報告者コメント

報告者:⼤國眞輝(経済学研究科修⼠課程 1 年)

 

今回は、「多次元的貧困と健康との関係性」というテーマで、修⼠論⽂執筆に向けた中間 報告として発表させていただきました。

発表の⼤まかな内容は以下の通りです。少⼦⾼齢化や世帯規模の縮⼩、⾮正規雇⽤の増加 に伴う就労の不安定化という種々の変化が⾒られる中で、社会経済的に弱い⽴場に追い込 まれた⼈々の⽣活を保障することは喫緊の課題と⾔えます。彼らは、低所得による経済的資 源の不⾜だけでなく、⽣活時間の圧迫や社会関係の不安定化などの多⾯的な困窮状態に直 ⾯している可能性があり、健康問題への波及が懸念されます。そこで、⼈々が⽣活する中で 直⾯する困窮状態を多⾯的に捉え、多次元的貧困指標を構築した上で、健康状態との関係性 を分析しようと考えています。この分析によって、⼈々の健康状態の改善のための⽰唆を得 ることを⽬指します。

質疑応答では、多次元的貧困の測定⼿法や健康変数の種類についてのご指摘をいただき ました。そのため、今後は多次元的貧困測定に関する先⾏研究のより詳細な整理を進めたい と考えています。また、本研究を通して得られた⽰唆を政策的にどう活かしていくのかとい うご指摘をいただきました。これについても、今後、具体的な政策内容とその政策の実⾏上 の難点に対する考察を深めていこうと思います。

 

以上