一橋大学

EUワークショップ・学生コメント(2015年6月3日分)

2015年6月26日法学研究科

法学研究科博士課程1年 菅沼 博子

法学研究科博士課程1年の菅沼と申します。

6月3日のEUワークショップでの2つの報告のテーマ(報告内容の詳細については各報告者の報告記事をご覧ください)と所感をお伝えします。

1人目の報告者として、国際・公共政策大学院修士課程2年の葉懿芳さんが、重大な人権侵害に対する普遍的管轄権行使について、ドイツ・ベルギー・スペインの事例を中心に報告されました。

台湾において、中国の法輪功迫害の刑事告発事件をきっかけに問題関心を深めている葉さんの報告は、国際的に人権を実効的に保護するための方策を考えるにあたり、示唆に富むものであると思います。

2人目の報告者の社会学研究科博士課程1年の南波慧さんは、近時の欧州への人の移動をめぐる問題状況について報告されました。

南波さんは、20154月を、欧州への人の移動をめぐる状況にとって分水嶺となりつつあるものと捉え、その要因として、地中海での大規模な海難事故による人の死を挙げます。

地中海での難民の死の問題化とEUの対応というテーマについて、南波さんの今後のさらなる研究は、この問題に関心をもつ多くの人たちにとって、待望されるものになると思いました。

葉さん、南波さんの報告はともに、グローバル化に直面する世界と人権という問題関心を共有しており、国内法の視点から人権について考えることを主専攻としている私にとっても、自らの拠って立つところを再点検をせまるひじょうに興味深い両報告でした。