EUワークショップコメンテーター(3)
2014年7月16日法学研究科
国際・公共政策大学院2年の永島と申します。
今回は5月28日に行われたEUワークショップでの発表について、私がコメンテーターとして簡単にコメントを述べたいと思います。
ただ、私の怠慢のせいで少々執筆までに時間が経ち過ぎてしまったため、記憶が薄れつつあることをお詫び申し上げます。
さて。本日の発表は次の1本でした。
社会学研究科修士2年の南波さんによる「<境域>のポリティクス 第3回 欧州法レジームにおけるノン・ルフールマン原則」です。
昨年に引き続き、国境等の「境界線」で発生する政治問題について、EUの難民問題から研究されています。
発表内容の詳細は南波さんご自身が別のブログで語っておりますので割愛させていただきます。ぜひ南波さんのブログをご参照ください。
一応、簡潔に申し上げますと、難民条約におけるノン・ルフールマン原則とEU加盟国による難民の強制送還や安全な第三国リストに関わる問題についてです。
EUやEU加盟国の難民問題は、ヨーロッパの地域的な国境管理と一国の国境管理が絡み合う点で、世界でも独特なように感じます。
加盟国内においても、対外国境に接する国や難民受け入れの多い国との温度差があり、政策決定過程における衝突の議論も興味深いです。
EUでは、実際に政策や法律が制定されることと実行されることの間に隔たりがあるので、政策の実際的な成果も確認する必要があるとの指摘には、私自身も勉強になりました。
今回の発表では、最後に参加者の1人が、「こうした人の移動を経済学からはどう説明するのか」と商学研究科の小川先生に質問を行いました。
これはまさにこのワークショップの良い点だと思います。
4研究科(法、社会、経済、商)の先生が一同に会して行う授業なので、自分とは異なる分野から同じテーマについて違ったストーリーが聞けるのは、視野や価値観の広がる良い機会だと思いました。今後もこうして幅広く議論ができたらと思います。