一橋大学

EUワークショップ コメント

2021年11月30日中西優美子(Yumiko NAKANISHI)

EUワークショップ

2021年10月27日

コメント:法学研究科修士課程2年 二見 華

 

報告者①松村一慶さん「オーストリア国家条約と冷戦」

 

今回の報告においては、第一に「オーストラリア国家条約締結までの概観」が述べられ、当時のオーストリアの立場や政府、国家情勢について簡潔にまとめられた内容が発表されました。また、先行研究についての言及もありました。まとめでは、自身の研究のリサーチクエスチョン候補について発表がありました。

質疑応答では、大月先生からトリエステ問題を軸に話をまとめた方がわかりやすいという助言がありました。熊本先生からは、被害者立場からの目線についての指摘、中西先生からは戦後の体制がオーストリアは特殊な側面(ドイツのように分断されず、中立国になった経緯)についての指摘がなされました。秋山先生からは、リサーチクエスチョンの絞り込みについての助言がなされました。

 

報告者②張 婷さん「ロココ時代における消費者活動と女性の役割の変化」

 

本報告で発表者からは、ロココという様式の社会的背景の説明を踏まえて、リサーチクエスチョンであるロココの出現とそのスタイルの流行がいかに始まったかについて先行研究と仮説についての発表がありました。研究テーマとして「ロココ時代における消費活者行動と女性の役割の変化」を挙げ、18世紀のフランスにおける消費者行動の変化、経済における女性の役割と社会における女性の地位について考察する旨が今後の研究課題とともに報告されました。

質疑応答では、大月先生から類似の研究者の紹介や、テーマの面白さについて評価があり、秋山先生からは対象が庶民の消費活動であることから、当時の統計などの資料の入手方法について(入手困難であることが見込まれるため)指摘がありました。

18世紀フランスという豪華絢爛な、また革命という激動の歴史的な背景と庶民の消費行動からロココという様式の流行を経済的に分析し、研究するというテーマはとても興味深く、他研究科の生徒からも多く質問が挙がりました。