一橋大学

EUワークショップ コメンテーターのコメント

2024年6月19日中西優美子(Yumiko NAKANISHI)

5月29日のEUワークショップでは、社会学研究科1年の太田駿さんと国際・公共政策大学院1年の新美華翔さんが自身の研究関心分野についての発表を行なった。

太田さんは、「ジュゼッペ・マッツィーニにおけるヨーロッパ統合思想の受容と発展ジュゼッペ・マッツィーニにおけるヨーロッパ統合思想の受容と発展」と題して、マッツィーニの思想がヨーロッパ統合にどのような影響を与えたかについて報告した。マッツィーニの人生を振り返りつつ、思想の特徴、そしていくつかのイズム論を組み込み分析されていた。質疑応答では、イタリア統一の印象が強いマッツィーニをどのようにヨーロッパの統合に結びつけるかについての課題が示された。加えて、リサーチ・クエスチョンと結論に一貫性を持たせること、文章に登場する「イタリア人」「民族」などの語句をどう定義するかについても言及する必要性が指摘された。

新見さんは、「現代のヨーロッパにおける移民政策の違いは何が原因であり、それらの政策の成功と失敗した要因は何か」をリサーチ・クエスチョンに掲げ報告を行なった。発表内では、欧州諸国家の移民政策について概観されていることに加え、政策の違いを生む歴史的背景についても言及されていた。一方で、移民政策の成功と失敗をどう定義するかについて指摘された。いくつかのインデックス(方針や運用方法か)を取り上げ、その測定を行うことが一つの提案として挙げられた。加えて、ポピュリズムを扱う点についても、ポピュリズムが多義的であり、しっかりと定義をしていく必要性があることも言われた。

 

熊坂健太(IPP2年)