一橋大学

EUワークショップ・コメンテーター(5)

2014年7月17日法学研究科

EUワークショップ報告コメンテーター 20140618

皆さん、こんにちは。一橋大学法学研究科博士後期課程の周でございます。6月18日のコメンテーターとして、当日のEUワークショップの授業内容を報告させていただきます。

今日はEUプログラム二年生の二人の研究発表です。経済学研究科修士2年の今西さんの御発について、彼は「EUにおける航空輸送の自由化と対日EPA」をテーマとして自分の研究成果を報告しました。具体的に、①EUの共通航空政策及び航空産業の自由化の概要、②政策意思決定プロセスの歴史的展開、③EUの航空自由化と日本ーEUのEPAとの関連性、そして④まとめと今後の課題という4つの論点に分けて、「三段階の自由化パッケージ」に焦点を置いて詳細に論じました。今西さんの発表にたいして、商学研究科の小川先生は「自由化」について、つまり「自由化はサービスの自由化、またはモノの自由移動(貿易)のどちらを指す」と質疑され、法学研究科の中西先生も「OPEN SKY協定との関係」と質疑されました。私自身も、競争法規制の視点から、「航空券価格設定の完全自由化の実施可能性」について自分の論点を述べました。航空輸送の自由化はこれからの傾向とも言えますから、今西さんの今後の研究を期待しております。

つきまして、社会学研究科修士課程2年の横越さんにより、「オーストリア観光財のパンフレット分析」について研究発表が行われました。まず、横越さんは自分の問題意識、つまり「何故オーストリアのハプスブルク史観を問うことが重要であるのか」を述べました。観光パンフレット分析について、横越さんはオーストリア政府観光局や各州の観光局など、公的に運営される観光事業専門部局のHP、地方自治体HP及び41の市町村のHPを調査し、集計途中でまで結論は出せないものの、地方自治体レベルになるほどハプスブルク要素以外の観光財を主張していく傾向が見受けられると報告しました。法学研究科の中西先生は、「パンフレットで書かれている言語とそのパンフレットの読者との関係」について指摘されました。私自身は、欧州歴史に詳しくないが、パンフレット分析によりハプスブルク史観の結論どうなるかを興味深くて、横越さんの結論を待ちしております。