EUワークショップ 報告者コメント 2025年10月15日
2025年11月21日中西優美子(Yumiko NAKANISHI)
2025/11/20
EUワークショップ 報告者コメント
国際・公共政策大学院
グローバル・ガバナンスプログラム
2年
PM24G011
西村朱央
今回のワークショップでは、修士論文の進捗を報告させていただき、草稿での説明が不十分な点や、実証の方法についてアドバイスを頂いた。
現在のリサーチ・クエスチョンは「なぜ米国は、北極において中国を脅威として見做すのか」である。そして、本リサーチ・クエスチョンを明らかにするための仮説として、以下の2点を設定している。
- 米国は、南シナ海における中国の攻撃的意図を北極域における中国の行動と過度に結び付け、北極域での攻撃的意図として認識しているため、中国を脅威として見做す。
- 米国は、北極域内での非軍事的なプレゼンスの拡大を将来のハードパワー拡大につながる軍事的意図として過大に評価するため、中国を脅威として見做す。
以上2点の仮説の検証にあたり、質的内容分析を研究手法として採用する。また、分析対象としては、米国議会調査局(CRS)が公表している北極についてのレポート(R41153)を主な情報源とする。さらに、米国国家安全保障戦略や北極戦略等の公式文書に加え、政策決定者による演説や議会証言も資料として想定する。
私の研究のキーワードは「北極」と「中国」である。もし北極に着目するのであれば、北極の特異性を見るべきである一方、中国に着目するのであれば、中国の特異性について見るべきであるとご教示いただいた。
また、今回、R41153が2010年3月30日以降、2025年7月14日現在までに215版が公表されていることを鑑み、CRSレポートにおける「China」および「PRC」の言及回数についてのグラフを作成した。本グラフでは対中脅威は測定できず、中国に対する関心の増減を説明できる程度である。本グラフに対し、「China」および「PRC」の言及回数だけでは、ネガティブな情報が書かれているのかポジティブな情報が書かれているのかがわからないとのコメントを頂いた。加えて、「China」および「PRC」ではなく、「It」や「That state」等の代名詞で書かれている場合が抜けているとのご指摘を頂いた。
さらに、今回勢力均衡論の観点からの北極域のパワーを測定するにあたり、①砕氷能力を有する艦船の保有数および②北極域に位置する軍事基地の数を指標として使用した。この点について、勢力均衡の評価要件がこれで妥当といえるのかというご意見も頂いた。
今後は頂いたアドバイスを基に、「米国の対中脅威認識」を明らかにすると共に、質的内容分析を行い、修士論文の執筆を進めたい。


