報告者コメント(6)
2014年7月8日法学研究科
2014年6月18日(水)6限時報告
経済学研究科 比較経済・地域開発専攻修士課程2年
EM134004 今西雄也(Yuya Imanishi)
今回の本ワークショップでは、「EUにおける航空輸送の自由化(オープンスカイ)政策と対日EPA(経済連携協定)」について報告しました。これまでの報告ではEUやASEAN(東南アジア諸国連合)の自由貿易協定(FTA)やEPAでの戦略の違いや、関税同盟や国際通商政策の歴史的展開と制度面での考察を行ってきました。具体的には、EUとASEANの「共同体」としての貿易協定締結の可能性を探ることや、各種貿易交渉での関税撤廃の経緯、Eurostatなど様々なデータベースを用いた国際貿易の現状や推移の分析を行うといったことが主な内容です。今回は、修士論文の方向性や最近の貿易取引の航空分野における報道等を鑑み、EUのオープンスカイ政策における政策意思決定プロセスの歴史的展開、いわゆる「空の自由」や「3段階のパッケージ」における議論の分析を中心に、航空輸送に特化した報告を行うに至りました。報告後の議論では、大きく3点の柱に基づいてなされました。まず1点目は、欧州地域における多国間システムへの移行(変容)について、実際はどの程度進んでいるのかという点で問題提起がなされたこと。2点目は、欧州裁判所(ECJ)で出された判例から欧州地域におけるオープンスカイ政策の分析。3点目は、欧州域内の航空自由化に伴う格安航空会社(LCC)の台頭のパターンおよび自由化されていない圏内でのLCCの台頭のパターンの2点の違いを比較するといった、修士論文の執筆の方向性に関わること。以上の3点において質疑応答および教授陣や学生メンバーからのアドバイスを頂きました。今後は、EUにおける共通航空政策における内容の深堀や、現在交渉中のEUの対日EPAの現状などを検証していき、日本とEUの協力関係や経済連携についての内容の深堀といった内容を選択肢として、冬学期に報告を行う予定です。