一橋大学

2017年12月6日 EUワークショップ 学生コメント

2017年12月6日中西優美子(Yumiko NAKANISHI)

 

国際・公共政策大学院

 

修士課程1年 飯田 萌

 

 

今回は126日に行われた法学研究科博士課程の本庄萌さんと法学研究科修士課程の廖虹嫣さんの報告について、コメンテーターとして報告します。

 

 

 

本庄萌さんは「法曹教育における動物法―ルイスアンドクラークロースクールを例にー」というテーマで報告をされました。

 

 

本庄さんは「動物法」のアメリカを中心とした国外法曹教育での展開、動物法研究の学術的意義という点に関心を持たれています。今回の報告では「動物法」の法分野における位置づけとその教育方法という観点から検討されていました。具体的には、動物法教育の沿革と意義やロースクールにおける動物法のカリキュラムなどについて紹介していただきました。

 

報告後の質疑応答では、動物法と環境法との関係について・ルイス&クラークロースクール(LC)における授業構成などについて質問が挙がりました。また、動物法は従来の法体系では語れないのではないか、動物法は法哲学や法倫理と深く関わっているなどのご意見もありました。

 

本庄さんの研究は、日本での動物法の発展を考えるうえで非常に興味深いものと思われます

 

 

 

廖虹嫣さんは「EUにおける環境政策の仕組みおよび市民社会との連携」というテーマで報告をされました。

 

 

廖さんは欧州連合(EU)が高いレベルの環境保護を確保している点に注目し、環境政策の歴史と市民社会との関係について調査を進められています。今回の報告では、1973年以降「環境行動計画」が採択され、「単一欧州議定書」でEC環境政策の法的根拠が与えられることになったという環境政策の歴史について述べられた上で、現在EUにおいて環境分野が重要な成長エンジンの一つとして位置付けられているとして、第6次環境行動計画・第7次環境行動計画に絞って具体的に考察されました。

 

報告後の質疑応答では、第7次環境行動計画で行われた民意調査に関して国ごとに環境に対する意識の違いはあるか、環境政策と市民社会との関係はどのように変化したのかなどの疑問が挙がりました。更に、EUと市民社会との連携が薄いところに着目することで環境政策と市民社会との関係性がより明確になるのではないかというご意見もありました。今後の研究の更なる発展が望まれます。