一橋大学

EUワークショップ・コメンテーター(7)

2014年10月24日法学研究科

法学研究科修士課程1年 石井雅浩

今回は、10月15日に行われた報告のコメンテーターということで、社会学研究科M2の南波さんの報告「制度的ボーダーとしての送還制度」について簡単にコメントを述べたいと思います。

南波さんは、これまで「<境域>のポリティクス」というテーマで報告をしており、今回は主に「再入国協定」についての検討を行われました。詳細は南波さんの報告コメントで確認していただけるかと思いますので、そちらをご確認ください。報告後は、参加者や先生方から様々なコメントが行われました。例えば、概念や言葉の定義を明確化するものやEUの政策の戦略性の有無、シェンゲン協定やイギリスの関与度合い、域内での温度差、など多岐にわたりました。

報告は、EUレベルと加盟国レベルでの政策決定と履行との関係について更なる興味がひかれるものでした。国境管理政策だけでなく滞在期間終了後も不当に滞在している非正規移民等、主権国家でも問題であるものが、より複雑なEUの枠組みではどのような現象として現れるのか、関心は尽きません。

おそらく今回がワークショップでの最後の報告になると思いますので、最後にどのような研究成果が発表されるのか楽しみに感じられる報告でした。