一橋大学

EUワークショップ 報告者コメント 2018年6月6日

2018年6月8日中西優美子(Yumiko NAKANISHI)

 

201866日 ヨーロッパワークショップ発表資料         経営管理研究科博士後期課程

 

李 建儒

 

日本水処理技術の歴史発展およびヨーロッパにおける技術応用

 

—栗田工業の事例分析—

 

問題意識について、現在、ヨーロッパが気候変動や環境破壊を抑えるため、企業生産活動がもたらす廃棄物を高い基準で規制している。そのゆえに、水処理技術について研究開発活動および技術応用面を注目される。その中に、日本を代表する栗田工業は、既にヨーロッパにおける水ビジネス事業を展開した。しかしながら、国際分野における栗田工業が水処理技術の応用歴史を着目する研究は希少である。  

 

本研究では主に栗田工業が水処理技術を日本国内から海外に導入したメカニズムを明らかにすることである(知識の創造および知識の移転)。したがって、本研究の問いを、次のように述べる。第一に、なぜ栗田工業の水処理技術が優れるのだろうか。第二に、栗田工業はどのように水処理技術を管理(開発・評価)するのだろうか。第三に、栗田工業はヨーロッパに水処理技術を導入・移転した際に、どのような課題と改善策があったのか、また、どのようなノウハウ・経験を学習したのか。

 

本研究は、以下の理論やフレームワークを取り上げ、栗田工業の事例研究を行う。1)Dynamic Capabilities(Teece, Pisano, and Shuen,1997) により、国内や海外における水ビジネス環境の変化に伴い、経営資源を統合・再編した栗田工業が海外市場に参入した由来を分析していく。2)Process Management (Benner and Tushman,2003)により、 栗田工業が水処理技術の研究開発を解明し、海外市場に導入したパーフォマンスを評価していく。3)SECI (Nonaka and Takeuchi,1997)Absorptive Capacity (Lichtenthaler,2009), Knowledge Transfer Framework (Goh,2002) により、栗田工業がどのように水処理技術を海外市場に導入したプロセスを検証していく。また、栗田工業は海外でどのような経営的・技術的ノウハウを学習したのかを着目していく。

 

研究方法について、栗田工業の有価証券報告書や『水を究めて50年 栗田工業50年史』などの二次資料により、栗田工業が水処理技術の開発史およびヨーロッパ進出史を検討していく。また、本研究は、栗田工業の管理幹部および従業員へのインタビュー通じ、日本やヨーロッパにおける水処理技術の経営と海外で水処理技術の移転・応用、海外の事業経験を取材していく。さらに、ヨッロパーにて栗田工業がどのような国際経験を得るのかを明らかにするために、アンケート調査を行う。Lichtenthaler (2009) Jane, Salk, and Lyles (2001)に基づき、アンケート調査票を作成する。例えば、7段階のリッカード尺度を用いて、栗田工業の従業員に、ヨーロッパにて水ジビネスに関する事業経験や学習程度を聞く。 (a) 水技術に関する新課題、(b) 新しい水技術の知識、(c) 新しい技術経営の技能、(d)研究開発に関する新しいコンセプトおよび(e)新しい環境知識。